はじめに
OpenAI Codexは、ChatGPTの有料プランに含まれるクラウドベースのソフトウェアエンジニアリングエージェントです。しかし、プランによってCodexの利用制限や機能が大きく異なります。
本記事では、ChatGPT Plus/Pro/Business/Enterpriseそれぞれの料金体系とCodex利用時のレート制限、API経由での利用方法と課金体系、そしてコストを最適化するための考え方を解説します。自分やチームに最適なプランを選択し、費用対効果の高い運用計画を立てるための参考にしてください。
Codexが利用可能なプラン一覧
Codexは以下のChatGPTプランで利用可能です。
| プラン | 月額料金 | Codex利用 | 対象 |
|---|---|---|---|
| Plus | $20/月 | 利用可能 | 個人開発者 |
| Pro | $200/月 | 拡張利用 | フルタイム開発者 |
| Business | $30/ユーザー/月 | 利用可能 | スタートアップ・成長企業 |
| Enterprise | 要問い合わせ | 拡張利用 | 大企業 |
| Edu | 要問い合わせ | 利用可能 | 教育機関 |
無料版およびGoプランではCodexは利用できません。
各プランの詳細比較
ChatGPT Plus($20/月)
週に数回の集中的なコーディングセッションに適したプランです。
含まれる機能
- Codex Web、CLI、IDE拡張機能、iOSアプリでの利用
- GitHubコードレビューやSlack連携などのクラウドベース統合
- GPT-5.2-Codexを含む最新モデルへのアクセス
- GPT-5.1-Codex-Miniによる最大4倍の利用制限拡張
- ChatGPTクレジットによる柔軟な利用拡張
利用制限の目安(5時間ウィンドウ)
| タスクタイプ | 利用可能回数 |
|---|---|
| ローカルタスク | 45〜225回 |
| クラウドタスク | 10〜60回 |
| コードレビュー | 10〜25回 |
利用回数はタスクの規模と複雑さにより変動します。小規模なスクリプトは少ない消費で済み、大規模なコードベースでの長時間タスクは多くを消費します。
ChatGPT Pro($200/月)
日常的にフルタイムでCodexを活用する開発者向けのプランです。
Plusに加えて含まれる機能
- リクエストの優先処理
- ローカル・クラウドタスクで6倍の利用制限
- クラウドベースコードレビュー10倍の利用枠
- GPT-5.2 Proモデルへのアクセス
- 無制限のGPT-5.2メッセージ(適正利用の範囲内)
利用制限の目安(5時間ウィンドウ)
| タスクタイプ | 利用可能回数 |
|---|---|
| ローカルタスク | 300〜1,500回 |
| クラウドタスク | 50〜400回 |
| コードレビュー | 100〜250回 |
Proプランはピーク時間帯の制限がなく、最も需要が高い時間帯でも中断なく利用できます。
ChatGPT Business($30/ユーザー/月)
スタートアップや成長中の企業向けのプランです。年次契約の場合は割引が適用されます。
Plusに加えて含まれる機能
- クラウドタスクを高速実行するための大容量仮想マシン
- ChatGPTクレジットによる柔軟な利用拡張
- SAML SSO、MFA対応の専用ワークスペース
- ビジネスデータをデフォルトで学習に使用しない設定
- SOC 2 Type 2コンプライアンス対応
利用制限の目安(5時間ウィンドウ)
Plusと同等の利用制限(45〜225ローカルタスク、10〜60クラウドタスク)ですが、柔軟価格設定によりワークスペースクレジットを追加購入できます。
ChatGPT Enterprise(要問い合わせ)
大規模組織向けのエンタープライズグレードプランです。
Businessに加えて含まれる機能
- リクエストの優先処理
- SCIM、EKM、ユーザー分析、ドメイン認証、RBAC
- Compliance APIによる監査ログと利用状況モニタリング
- データ保持期間とデータレジデンシー(10地域対応)のカスタマイズ
- 年中無休の優先サポートとSLA
- ボリューム割引
利用制限
固定の制限なし。クレジットに応じてスケールします。
プラン別機能比較チャート
flowchart TB
subgraph "個人向けプラン"
Plus["Plus ($20/月)<br/>週数回の開発に最適"]
Pro["Pro ($200/月)<br/>フルタイム開発者向け"]
end
subgraph "組織向けプラン"
Business["Business ($30/ユーザー/月)<br/>スタートアップ・成長企業"]
Enterprise["Enterprise (要問い合わせ)<br/>大規模組織"]
Edu["Edu (要問い合わせ)<br/>教育機関"]
end
Plus --> |"6倍の利用枠<br/>優先処理"| Pro
Plus --> |"管理機能<br/>セキュリティ"| Business
Business --> |"エンタープライズ<br/>セキュリティ"| EnterpriseAPI経由でのCodex利用
ChatGPTプランとは別に、API経由でCodexを利用することも可能です。この方法はCI/CD環境や自動化シナリオで特に有用です。
APIキー認証の特徴
- Codex CLI、SDK、IDE拡張機能での利用
- クラウドベース機能(GitHubコードレビュー、Slack連携など)は利用不可
- GPT-5.2-Codexなど最新モデルへのアクセスは遅延
- 使用トークン数に基づく従量課金
API料金体系
Codex関連モデルのAPI料金は以下の通りです(100万トークンあたり)。
| モデル | 入力 | キャッシュ入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
| gpt-5.2-codex | $1.75 | $0.175 | $14.00 |
| gpt-5.1-codex-max | $1.25 | $0.125 | $10.00 |
| gpt-5.1-codex | $1.25 | $0.125 | $10.00 |
| gpt-5-codex | $1.25 | $0.125 | $10.00 |
| gpt-5.1-codex-mini | $0.25 | $0.025 | $2.00 |
| codex-mini-latest | $1.50 | $0.375 | $6.00 |
Batch APIによるコスト削減
時間に余裕のあるタスクでは、Batch APIを利用することで入出力コストを50%削減できます。バッチジョブは24時間以内に非同期で処理されます。
flowchart LR
subgraph "リアルタイム処理"
RT[標準API] --> RT_COST["$1.75入力<br/>$14.00出力"]
end
subgraph "バッチ処理"
BATCH[Batch API] --> BATCH_COST["$0.875入力<br/>$7.00出力<br/>50%削減"]
end
RT_COST --> |"コスト比較"| BATCH_COSTクレジットシステムの仕組み
利用制限に達した後もCodexを継続利用するために、クレジットシステムが用意されています。
クレジット消費の目安
| タスクタイプ | 単位 | GPT-5.2-Codex | GPT-5.1-Codex-Mini |
|---|---|---|---|
| ローカルタスク | 1メッセージ | 約5クレジット | 約1クレジット |
| クラウドタスク | 1メッセージ | 約25クレジット | 利用不可 |
| コードレビュー | 1プルリクエスト | 約25クレジット | 利用不可 |
これらは平均値であり、タスクのサイズ、複雑さ、必要な推論量によって変動します。
クレジットの購入方法
Plus/Proユーザー
利用制限に達した場合、追加クレジットを購入してプランをアップグレードせずに継続利用できます。
Business/Enterprise/Eduユーザー
柔軟価格設定を有効にすることで、ワークスペース単位でクレジットを追加購入できます。
コスト最適化のベストプラクティス
1. プロンプトサイズの最適化
Codexへの指示は具体的かつ簡潔にします。不要なコンテキストを削除することで、トークン消費を抑えられます。
|
|
2. AGENTS.mdの階層化
大規模プロジェクトでは、AGENTS.mdをディレクトリごとに分割して配置することで、Codexが参照するコンテキスト量を制御できます。
project/
├── AGENTS.md # プロジェクト全体の指示
├── src/
│ ├── AGENTS.md # srcディレクトリ固有の指示
│ ├── components/
│ │ └── AGENTS.md # コンポーネント固有の指示
│ └── utils/
│ └── AGENTS.md # ユーティリティ固有の指示
3. MCPサーバーの適切な管理
MCPサーバーを追加するとコンテキストが増加し、利用制限の消費が早まります。必要なときだけMCPサーバーを有効にしましょう。
4. GPT-5.1-Codex-Miniの活用
単純なタスクにはGPT-5.1-Codex-Miniを使用することで、利用制限を約4倍に延長できます。
GPT-5.1-Codex-Miniが適するタスク
- 単純なリファクタリング
- ボイラープレートコードの生成
- 定型的なテストの追加
- 軽微なバグ修正
GPT-5.2-Codexが適するタスク
- 複雑なアーキテクチャ設計
- 大規模なコードベースの理解
- 高度な推論が必要な問題解決
5. 現在の利用状況の確認
利用状況は以下の方法で確認できます。
- Webダッシュボード: chatgpt.com/codex/settings/usage
- Codex CLI:
/statusコマンド
プラン選択のフローチャート
flowchart TD
START[Codexを使いたい] --> Q1{利用頻度は?}
Q1 --> |週数回| Q2{チームで使う?}
Q1 --> |毎日フルタイム| PRO[Pro $200/月]
Q2 --> |個人| PLUS[Plus $20/月]
Q2 --> |チーム| Q3{組織規模は?}
Q3 --> |スタートアップ| BIZ[Business $30/ユーザー/月]
Q3 --> |大企業| Q4{エンタープライズ<br/>セキュリティが必要?}
Q4 --> |はい| ENT[Enterprise 要問い合わせ]
Q4 --> |いいえ| BIZ
Q3 --> |教育機関| EDU[Edu 要問い合わせ]プラン別ユースケース
Plusが適するケース
- 個人開発者で週末や空き時間にCodexを活用したい
- 新機能の実装やバグ修正を時々Codexに任せたい
- コスト重視で、必要に応じてクレジットを追加購入したい
Proが適するケース
- Codexをメインの開発パートナーとして毎日活用したい
- 複数の大規模タスクを並列で処理したい
- ピーク時間帯でも優先的にサービスを利用したい
- クラウドベースのコードレビューを頻繁に利用したい
Businessが適するケース
- チームでCodexを導入し、統一された開発環境を構築したい
- SAML SSOやMFAによるセキュアなアクセス管理が必要
- ビジネスデータの学習利用をオプトアウトしたい
- SOC 2準拠のセキュリティが求められる
Enterpriseが適するケース
- 大規模組織でCodexを全社展開したい
- SCIMによる自動プロビジョニングが必要
- 監査ログやCompliance APIによるガバナンスが必要
- データレジデンシー(日本を含む10地域)の要件がある
- カスタムSLAや優先サポートが必要
まとめ
OpenAI Codexの料金プランを選択する際は、以下のポイントを考慮してください。
- 利用頻度: 週数回ならPlus、毎日フルタイムならProが適切
- 組織規模: チーム利用ならBusiness、大企業ならEnterpriseを検討
- セキュリティ要件: コンプライアンス要件に応じてプランを選択
- コスト最適化: GPT-5.1-Codex-Miniの活用やプロンプト最適化で利用効率を向上
API経由での利用は、CI/CD環境や自動化シナリオに適していますが、クラウドベースの統合機能は利用できない点に注意が必要です。
自分やチームの開発スタイルに合ったプランを選択し、Codexを最大限に活用してください。